この本は2007年にヒットした本で例として使われている題材が少し古く感じてしまう部分もあるが著者が伝えたい本質は同じなので今から読むのにも十分値する本だと思う
「スタバではグランデを買え」とキャッチ−な名前でとっつきやすそうな感じがするが実際は経済の用語が所々出て来て経済学に疎い人は多少戸惑うところもあるかもしれない
ただ非常にわかりやすい秀逸な図が随所にちりばめられていてこれを見れば分からない人はいないだろう
また、豊富な題材それぞれが身近なもので読んでいて楽しいのは間違いない
この本を読んだ前と後とでは自分の消費活動に対する考え方が大きく変わっているだろう
はじめに
同じモノがちがう価格、ちがうモノが同じ価格
第1章 ペットボトルのお茶はコンビニとスーパーのどちらで買うべきか?
裁定と取引コストが価格差を縮めたり広げたりする
第2章 テレビやデジカメの価格がだんだん安くなるのはなぜか?
規模の経済性が家電製品の価格を下げる
第3章 大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?
企業は、高くても買う消費者にはできるだけ高く売ろうとする
第4章 携帯電話の料金はなぜ、やたらに複雑なのか?
携帯電話会社はいろいろな方法で消費者を選別する
第5章 スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?
取引コストの節約は、店と消費者の両方に利益をもたらす
第6章 100円ショップの安さの秘密は何か?
ときには、追加コストが価格を決める
第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?
所得よりも資産の格差のほうが大きな問題である
第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?
安易に政府に頼る国民は、結局は大きなツケを負わされる
終章 身近な話題のケース・スタディ
付加価値に分解して考える
1. 意外にも、日本が石油製品の輸出を増やしているのはなぜか?
2. 牛肉を、ステーキ店と焼肉屋のどちらで食べるか?
3. 家具の組み立てと運送は、どちらを先にすべきか?
4. 子供を持つ親が喜ぶサービスとは?
5. 携帯電話料金の話【Part 2】
6. アジア製の安い邦楽CDは、本当に日本の音楽文化の敵だったのか?
おわりに
他人と同じだから得なこと、ちがうから得なこと
どの章も面白かったがここではみんなが気になるスターバックスの話はおいといて
第7章の経済格差の話を取り上げたいと思う
高所得者@は、高い能力を持ち、長い時間働くことによって、都会所得を得ています。高所得者Aは、大した能力もなく、短い時間しか働きませんが、何らかの特別な地位にあるために高い所得を得ています。---生活をする際の取引コストが高いのは、空き時間に仕事をすれば高所得を稼ぐことができる高所得者@のほうです。高所得者Aは、本当のところは、働いても働かなくても所得はさほど変わりませんので、取引コストは低くなります。
両者が同じ所得水準であれば、理不尽な話ですが、社会貢献度が高いはずの高所得者@のほうが不利になり、地位だけで高所得を稼ぐ高所得者Aのほうが有利です。本当に能力が高くて、どんどん価値が生めるような超高所得者は、自分の手間(時間や労力)のコストが高くなりすぎて、どんだ生活ができるかという意味では、さほど恵まれない可能性があるのです。
「金持ちからお金を巻き上げろ!」と声を大にしてすでにかなり高い水準である所得税をさらにあげろという人たちがいるが、それがいかに間違っているかがわかるだろう
最近、政治とお金の問題が多いが、報道されているあの人たちはまさに高所得者Aにあてはまる
選挙で票を稼ぐために消費税を上げないなどと無責任なことを言っておいて、そこで不足する税収を所得税で巻き上げるという考えに落ち着いているのは、無論、政治家が頑張っても頑張らなくても生活に支障がない高所得者Aのタイプであるが所以だろう
これ以上所得税が上がったら有望な人材が世界に逃げて日本の国力が衰弱するのは言うまでもない
ホリエモンや森永卓郎が提唱していた固定資産税、贈与税の増加は私も賛成である
なぜならそうすることで何もしなくても代々豊かに暮らしている人たちも焦って働くようになるだろうし、生まれたときに同じスタートラインに立っていることが本当の意味でのフェアだと思うからである
さらに贈与税が100%にでもなったらお金持ちは嫌でもタンス預金からお金を出して消費するだろう
日本の金融資産のうちそういったタンス預金が占める割合を考えたら経済が明るくなること間違いない
日本が大きな志を持った社会に付加価値をもたらしてくれる人たちにとって住みやすい国になることを願う
消費活動の本なのにスケールが大きくなったがこの本がいかにたくさんの事象を取り上げているかを示せたのでは
まだこの本を読んでいない人は賢く生活するためにぜひ自分が気になるトピックだけでも一読することをお勧めする
参考給付付き税額控除と、消費税増税
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10359988730.html土地・建物の税金
http://www.niceliving.net/zeikin/top.html
出社が楽しい経済学
- 作者:
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2009/01
- メディア: 単行本
posted by tsukasa at 03:51|
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